2013年08月22日
銘機礼賛:愛すべき写真機達(9)
愛すべき写真機達 九回目(9) 我が「写真機の森」の最古参達.. 恒湿庫の中のお気に入り・・お宝機を紹介します。
既に顔を見せた機種ですが、改めて御三家お揃いで紹介致します、最も古いのは100年前..の個体です (^O^)
デジタル機全盛の現在.. 使用フィルムもとうになく.. 居場所が無くなった.. 古い古い、しかしとても愛しい写真機達..
銀塩時代のカテゴリーで、中判の“ベスト判”と呼ばれた、内外の御三家3/5台に登場してもらいます!


既に顔を見せた機種ですが、改めて御三家お揃いで紹介致します、最も古いのは100年前..の個体です (^O^)
デジタル機全盛の現在.. 使用フィルムもとうになく.. 居場所が無くなった.. 古い古い、しかしとても愛しい写真機達..
銀塩時代のカテゴリーで、中判の“ベスト判”と呼ばれた、内外の御三家3/5台に登場してもらいます!
いつもの様に.. まずはお姿から・・
左端が元祖” ベストポケットコダック(VPK) ”コダック社製 今年で100歳の翁?とか..もちろん撮影OK(^^♪
中央は “ピコレット” コンテッサ・ネッテル社製 右端は “パーレット” 六櫻社(旧コニカ)製
前面パネルの針金枠のレンズは.. クローズアップレンズです、不用時は扉を開く様に外せます!(^^)!
それにしても.. 良く似てますよね、左が元祖”VPK”・・ 右の2つはそっくりさん!(^^ゞ
左端が元祖” ベストポケットコダック(VPK) ”コダック社製 今年で100歳の翁?とか..もちろん撮影OK(^^♪
中央は “ピコレット” コンテッサ・ネッテル社製 右端は “パーレット” 六櫻社(旧コニカ)製
前面パネルの針金枠のレンズは.. クローズアップレンズです、不用時は扉を開く様に外せます!(^^)!
それにしても.. 良く似てますよね、左が元祖”VPK”・・ 右の2つはそっくりさん!(^^ゞ

角度を変えてみると、揃って蛇腹持ち?ですが..それだけに味わい深いクラシックスタイルですよね(^^ゞ
文字通り、蛇腹を畳むと、ベストのポケットに入っちゃう程小さい写真機です..
それでいて フレーム面積は 35mm判の3倍もあるから驚きです!
文字通り、蛇腹を畳むと、ベストのポケットに入っちゃう程小さい写真機です..
それでいて フレーム面積は 35mm判の3倍もあるから驚きです!

どう見ても.. 現在のデジカメとはまるで違いますよね・・ もちろん液晶モニターなんてありません!
じゃあ.. フレーミングは何処で? ファインダーは? ピントリングは? シャッターボタンは?
デジカメ世代から見れば、超マニアックな機種ばかりですが.. たまには昔の写真機を覗いて見たり?..
とか..軽く流してご容赦願います(^_^;)
なお… 全ての画像はクリックで、大きくなります!
じゃあ.. フレーミングは何処で? ファインダーは? ピントリングは? シャッターボタンは?
デジカメ世代から見れば、超マニアックな機種ばかりですが.. たまには昔の写真機を覗いて見たり?..
とか..軽く流してご容赦願います(^_^;)
なお… 全ての画像はクリックで、大きくなります!
そっくりさんの理由ですが
実はベスト判の元祖となる“ベストポケットコダック(VPK)”は1912年(大正元年)の発売から15年間に180万台も売れて..
大ヒット! それを見て..2匹目のドジョウを追ったのが“ピコレット”..さらにその後を追っかけたのが“パーレット”
いずれも蛇腹機の、そっくりさん!.. 小型化するには.. 暗箱が畳める「蛇腹式」が有利だったみたいですね。
そういえば、現在のコンデジもレンズを引っ込めて小型化していますが、同じ発想ですよね・・蛇腹式じゃないけど..(^^♪
使い易く安価なベスト判機の発売が写真機の大衆化の幕開けになったようです!
国内ではVPKの下位機種の単玉レンズ付きが “べス単”と呼ばれ、フードを外して写すと独特のソフトフォーカス画像が
得られたことから “べス単のフード外し” などともてはやされて大ヒット!大正時代..ベストセラー機になったそうです。
そういえば :写真を撮る為の操作
フイルム充填、1コマ分の巻き上げ、シャッター速度設定、シャッターのチャージや絞り設定にピント合わせ,etc
全てがマニュアル操作のめっぽう使い難い機種ですが..何よりも同時発売の“ロールフイルム”が使えるので・・
それ以前の写真機の様に、撮影の度に乾板(銀塩板)を入れて撮影..出して新しい乾板を入れて..と厄介な仕事(@_@。
それこそ面倒の塊の様な操作が必要な.. 古典的な写真機に比べれば、格段の使い易さだったのです。
それまでは、写真を撮るという仕事は、本来プロの写真技師の仕事だったのですが、
この機種の出現によって、素人でも出来るようになった・・画期的な機種だったのです!
この機種の出現によって、ロールフィルムとベスト判は写真機の大衆化の流れを作った機種になりました..
これ以降は..ファミリーの写真を自分の手で撮る楽しみが浸透して行ったと云う事です。
そんなこんなに・・想いを馳せて..一つ一つの操作を味わいながら・・じっくり楽しみながら撮る!この儀式が実に楽しい!
まさにお気に入り写真機で撮る! 至福の時間なのですが(^_-)-☆
そう・・ ≪カメラ≫..ではなく ≪写真機≫ と呼びたい仲間達です!
そんなベスト判機達のプロフィールをまとめてみました!


1。 “ベストポケットコダック(VPK)” アメリカ:コダック社製
1912年(大正元年)発売≪100歳≫
元祖ベスト判機、本当は新作のロールフィルム(127タイプ)
を売る為に発売した様ですが?
発売から15年間に180万台も売れる大ヒット!
やはり、同時発売のロールフィルム(127)の使い易さ
が受けたのかな?


2。 “ピコレット” ドイツ:コンテッサ・ネッテル 社製
(Contessa Nettel Piccolette)
1920年(大正9年)発売≪93歳≫
蛇腹を畳むと、ベストのポケットに入っちゃう程
小さな写真機です..
試写結果は、抜群にクリアー!驚愕の写りだった
カラーの無いモノクロ時代のレンズとは思えない
抜けの良い写りは現在でも充分通用すると思う!


3。 “パーレット” 六櫻社(旧コニカ)製
1925年(大正14年)発売≪88歳≫
3匹目のどじょう? 追っかけの日本製”ベス単”型?
最後発なだけあって、工夫の跡が見られる・・
写りはとてもモノクロ時代のレンズとは思えない
抜けの良さ! さすがは六櫻社・・・
後のコニカヘキサノンレンズの生みの親だけある!
3機種ともに:使用フイルムは「ベスト判127」、1本で8枚撮れます!
幅4cmの樹脂シートに乳剤(銀塩剤)を塗布したフイルムの背面に裏紙を張り付けてロール状に巻き込んだ構造で、
裏紙を巻き込むことによって装填前の感光を防ぎ、平坦を保ってレンズ背後のフォーカス面へスムースに送りこめる利点
があります。
裏紙の背面にはコマ番号が印刷されていて、写真機背面の赤窓を見ながら、コマ数字が出てくるまで1コマずつ正確に
巻き上げてフイルムセットします・・ 巻き上げを忘れるとしっかり二重撮り・・ 故意に二重撮りする場合もありますが(^.^)
フィルムの1コマ(フレーム)のサイズは 縦4.5cm横6.5cmの横長ですがカメラが縦型なので、縦横が入れ替わって縦長の
画面になります!
このサイズのプリントを “ベスト判” と呼んで、一つの基準になりました! (今のデジタルプリントのL判の約半分のサイズ)
※引き延ばして拡大プリント出来る様になるのはこの後の1925年以降にライカと引き延ばし機が発売されてから…
この時代は密着と云ってフレームサイズのまま印画紙に焼き付けていた・・と考えるとベスト判って小さなプリントだ事(^J^)
時に・・構図を決めるファインダーは? ピント合わせは?
側面に取りつけた照準から前側の四角な針金の枠のエリアで狙いを付けます(現物は欠落していて写真にはありませんが)
他に、前板に申し訳程度の反射型ファインダーがあります、が極めてアバウトです..
手元の初期型では、ピント合わせは… およそ3mの距離で固定されています、“人物を撮る"事が主な目的だったようです。
レンズの f 値が大きく、暗いのでこれでもOK・・但しシャッター速度がとても遅いので猛烈にブレ易いのが難点です!(^^)!
試写は3機種とも“デジタル撮影”で行いました!? (一部は銀塩35mmフィルムでも試写)

銀塩フィルムは入手不可能なので元祖“重連撮影”?でAPS-Cサイズ
で≪デジタル撮影≫で行いました
聞いた事もない“重連撮影”って何?..右の画像でご想像下さい!
仔細は記事中で、で、写りはどうなんだ?・・ など等々(^J^)
結果は拙作のホームページに上げていますので、以下をご覧ください! 入手順なのでピコレットが後になっていますが..
1)VPKとパーレット試写ページ 2)べス単のページ (うんちくと試写画像を掲載しています)
3)ピコレットのページ(うんちくと試写画像を掲載しています) 4)パーレットのページ (うんちくと試写画像を掲載しています)
長らくご覧いただきありがとうございました! はからずも..拙作ホームページ「写真機の森」のダイジェスト版になりましたが・・
なるほど.. こんな古写真機の楽しみ方もあるのか~ と、ほんの少しだけ.. お目に残れば幸いです!!(^^)!
※何か疑問や、問いあわせがありましたら、この記事に「コメント」か、左サイドバーの「からくり村へメール」からメッセージを頂ければ幸いです。
実はベスト判の元祖となる“ベストポケットコダック(VPK)”は1912年(大正元年)の発売から15年間に180万台も売れて..
大ヒット! それを見て..2匹目のドジョウを追ったのが“ピコレット”..さらにその後を追っかけたのが“パーレット”
いずれも蛇腹機の、そっくりさん!.. 小型化するには.. 暗箱が畳める「蛇腹式」が有利だったみたいですね。
そういえば、現在のコンデジもレンズを引っ込めて小型化していますが、同じ発想ですよね・・蛇腹式じゃないけど..(^^♪
使い易く安価なベスト判機の発売が写真機の大衆化の幕開けになったようです!
国内ではVPKの下位機種の単玉レンズ付きが “べス単”と呼ばれ、フードを外して写すと独特のソフトフォーカス画像が
得られたことから “べス単のフード外し” などともてはやされて大ヒット!大正時代..ベストセラー機になったそうです。
そういえば :写真を撮る為の操作
フイルム充填、1コマ分の巻き上げ、シャッター速度設定、シャッターのチャージや絞り設定にピント合わせ,etc
全てがマニュアル操作のめっぽう使い難い機種ですが..何よりも同時発売の“ロールフイルム”が使えるので・・
それ以前の写真機の様に、撮影の度に乾板(銀塩板)を入れて撮影..出して新しい乾板を入れて..と厄介な仕事(@_@。
それこそ面倒の塊の様な操作が必要な.. 古典的な写真機に比べれば、格段の使い易さだったのです。
それまでは、写真を撮るという仕事は、本来プロの写真技師の仕事だったのですが、
この機種の出現によって、素人でも出来るようになった・・画期的な機種だったのです!
この機種の出現によって、ロールフィルムとベスト判は写真機の大衆化の流れを作った機種になりました..
これ以降は..ファミリーの写真を自分の手で撮る楽しみが浸透して行ったと云う事です。
そんなこんなに・・想いを馳せて..一つ一つの操作を味わいながら・・じっくり楽しみながら撮る!この儀式が実に楽しい!
まさにお気に入り写真機で撮る! 至福の時間なのですが(^_-)-☆
そう・・ ≪カメラ≫..ではなく ≪写真機≫ と呼びたい仲間達です!
そんなベスト判機達のプロフィールをまとめてみました!


1912年(大正元年)発売≪100歳≫
元祖ベスト判機、本当は新作のロールフィルム(127タイプ)
を売る為に発売した様ですが?
発売から15年間に180万台も売れる大ヒット!
やはり、同時発売のロールフィルム(127)の使い易さ
が受けたのかな?


(Contessa Nettel Piccolette)
1920年(大正9年)発売≪93歳≫
蛇腹を畳むと、ベストのポケットに入っちゃう程
小さな写真機です..
試写結果は、抜群にクリアー!驚愕の写りだった
カラーの無いモノクロ時代のレンズとは思えない
抜けの良い写りは現在でも充分通用すると思う!


1925年(大正14年)発売≪88歳≫
3匹目のどじょう? 追っかけの日本製”ベス単”型?
最後発なだけあって、工夫の跡が見られる・・
写りはとてもモノクロ時代のレンズとは思えない
抜けの良さ! さすがは六櫻社・・・
後のコニカヘキサノンレンズの生みの親だけある!
3機種ともに:使用フイルムは「ベスト判127」、1本で8枚撮れます!
幅4cmの樹脂シートに乳剤(銀塩剤)を塗布したフイルムの背面に裏紙を張り付けてロール状に巻き込んだ構造で、
裏紙を巻き込むことによって装填前の感光を防ぎ、平坦を保ってレンズ背後のフォーカス面へスムースに送りこめる利点
があります。
裏紙の背面にはコマ番号が印刷されていて、写真機背面の赤窓を見ながら、コマ数字が出てくるまで1コマずつ正確に
巻き上げてフイルムセットします・・ 巻き上げを忘れるとしっかり二重撮り・・ 故意に二重撮りする場合もありますが(^.^)
フィルムの1コマ(フレーム)のサイズは 縦4.5cm横6.5cmの横長ですがカメラが縦型なので、縦横が入れ替わって縦長の
画面になります!
このサイズのプリントを “ベスト判” と呼んで、一つの基準になりました! (今のデジタルプリントのL判の約半分のサイズ)
※引き延ばして拡大プリント出来る様になるのはこの後の1925年以降にライカと引き延ばし機が発売されてから…
この時代は密着と云ってフレームサイズのまま印画紙に焼き付けていた・・と考えるとベスト判って小さなプリントだ事(^J^)
時に・・構図を決めるファインダーは? ピント合わせは?
側面に取りつけた照準から前側の四角な針金の枠のエリアで狙いを付けます(現物は欠落していて写真にはありませんが)
他に、前板に申し訳程度の反射型ファインダーがあります、が極めてアバウトです..
手元の初期型では、ピント合わせは… およそ3mの距離で固定されています、“人物を撮る"事が主な目的だったようです。
レンズの f 値が大きく、暗いのでこれでもOK・・但しシャッター速度がとても遅いので猛烈にブレ易いのが難点です!(^^)!
試写は3機種とも“デジタル撮影”で行いました!? (一部は銀塩35mmフィルムでも試写)


で≪デジタル撮影≫で行いました
聞いた事もない“重連撮影”って何?..右の画像でご想像下さい!
仔細は記事中で、で、写りはどうなんだ?・・ など等々(^J^)
結果は拙作のホームページに上げていますので、以下をご覧ください! 入手順なのでピコレットが後になっていますが..
1)VPKとパーレット試写ページ 2)べス単のページ (うんちくと試写画像を掲載しています)
3)ピコレットのページ(うんちくと試写画像を掲載しています) 4)パーレットのページ (うんちくと試写画像を掲載しています)
長らくご覧いただきありがとうございました! はからずも..拙作ホームページ「写真機の森」のダイジェスト版になりましたが・・
なるほど.. こんな古写真機の楽しみ方もあるのか~ と、ほんの少しだけ.. お目に残れば幸いです!!(^^)!
※何か疑問や、問いあわせがありましたら、この記事に「コメント」か、左サイドバーの「からくり村へメール」からメッセージを頂ければ幸いです。
Posted by Ansel at 21:00│Comments(2)
│お宝銘機たち
この記事へのコメント
35mmフィルムでもなつかしいのに、ベスト判127フィルムなんて全く想像もできませんね。
8枚も撮れるというのは当時では画期的だったのかな??
8枚も撮れるというのは当時では画期的だったのかな??
Posted by 隊長
at 2013年08月23日 16:18

ですね!フイルムの出現以前は、1枚撮る毎に銀塩版(硝子板に乳剤を塗った感光板)を未感光のに取り替えなければならなかったそうです(^^;;
今でも4x5インチ等のカットフィルムを使う大判写真では似たような操作ですが、ものぐさな小生にはとても付き合える代物じゃないですが…
巻き上げが必要とは云え、連続して複数撮れる…は画期的な発明ですよね!
今でも4x5インチ等のカットフィルムを使う大判写真では似たような操作ですが、ものぐさな小生にはとても付き合える代物じゃないですが…
巻き上げが必要とは云え、連続して複数撮れる…は画期的な発明ですよね!
Posted by あんせる
at 2013年08月23日 21:22
